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知っておきたい健康の話題

 「一病息災」(病気を一つくらい持っている方が健康に注意するので、長生きするの意)
人は誰しもが健康であることを望み、病気や死を忌み嫌います。しかし、健康とは何でしょうか?どこからが病気なのでしょうか?
 WHO(世界保健機関)の定義によれば「健康とは精神的・肉体的かつ社会的に良くあること」とあります。要は、自分の胸に手を当てて正直に自分の状態を表現した時、「良い状態である」と言えるのが健康のようです。薬を飲んでいても、手足が不自由であっても、心から「良い状態である」と言えれば健康といえるでしょう。古の賢人が「一病息災」の四文字に込めた健康の意味が伝わってきます。
 私たちの脳細胞は1日に10万~20万個が死滅します。癌細胞は1日に2千個くらいが体の中で誕生し、そのほとんどが免疫細胞によって破壊されます。
 そう考えると、私たちの体の中では常に細胞の生と死が起っていて、100%の健康体などあり得ないことに気づきます。
 私が学生の時に知り合った老人は「健病不二(けんびょうふに)」という言葉を教えてくれました。「健康と病気は二つにあらず、常に同居している」という意味でした。
 今、日本では三人に一人が癌で亡くなります。癌は細菌やウイルスのように毒素を出したり、正常細胞に侵入してそれを破壊することはありません。従って、私は癌患者の多くは癌で死ぬのではなく、厳密に言うと癌になったことへの不安(ストレス)と癌治療の副作用からくる「免疫力の低下」が感染症を引き起こし、それによって亡くなるのではないかと考えます。
 古代エジプトのミイラからも癌が見つかります。しかし、死因は癌ではなく「老衰」と考えられるケースが少なくありません。この癌はその人に致命傷を与えることなくその人と共に天寿を全うしたのです。このような癌を「天寿癌」といいます。
 健康と病気が本来同居するものなら「病気は徹底して排除する」と考えるのではなく「病気と共に生きる」くらいの方が長生きするのかもしれません。
鈴木誠二

 私の愛読書に「健やかないのちのデザイン」(春秋社 日野原重明著)という本があります。私はこの本のタイトルを目にする度に、人は本来、自由に生き方をデザインできるんだとワクワクします。
こんなことを言うと、「甘い、甘い、人生こそ自分の思い通りにはならんよ。」とおっしゃる方もおられるでしょう。確かに、私の過去を振り返っても、第一志望の大学は不合格、この女性だと思った人とは結ばれず、サラリーマン時代も課長どまりでした。思わず「どうせ俺の人生なんかこんなもんさ」ということばが出てきそうです。
 先日、自分を限界づけているものは何かを探求して、それを突破するという研修を受けました。
そこで私は、自分を限界づけているものが過去の「自分はダメだ、十分ではない」という失敗の体験であることに気づきました。驚いたことにその中には5歳の頃の体験もあったのです。私たちは実際に起こった過去を確かな拠り所として生きているようです。
 「Aさんは何事も前向きだけど、Bさんは後ろ向きだよね」などという会話も、その人がどれ程過去に囚われているか、その程度の差を表現したものでしょう。
 精神科医の齊藤茂太氏は「どうせ」の口癖を「もしかしたら?」に変えることを勧めています。そうすると過去は現在と区別され、現在から未来に向かって前向きに自分の可能性をデザインできるらしいのです。
昔は難しいと思っていたことで今はできること、ありませんか?
年を重ねることで手に入れたものもたくさんあるはずです。
未来に向かって何でも描ける人生キャンバスにあなたは何を描きますか?
鈴木誠二
 食欲の秋。皆さんは食事を「おいしい」と感じながら食べているでしょうか。食欲は健康のバロメーターです。食欲のない状態が一週間以上続く場合は、医師や管理栄養士に相談すると良いでしょう。
 高齢者は食が細くなると「低タンパク・低エネルギー状態」となり、痩せ細ってしまうからです。
 食という字は「人を良くする」とも読めます。私達の体は私達が食べたもの以外のものではつくられません。従って、食事の中身に私達の体の材料となる何かが不足すれば体調が悪くなったりするわけです。
 10年ほど前、私は米国の栄養学会に参加しました。そこでは「人は年をとるとなぜ病気になりやすくなるのか」ということが大真面目に議論されていました。これが日本の学会なら結論は出さずに終わるところなのですが、欧米人はそれが途中であってもその時の結論を出すので面白いです。
そこでの結論は「加齢に伴い食事の摂食量と運動量が減少し、その結果、体蛋白質(主に筋肉)が減少するから」でした。蛋白質は細菌や癌から私達の体を守る免疫の主成分であり、転倒せずに歩くための筋力の源です。また、筋肉が多いと基礎代謝量も増え、肥満になりにくいというのも理由の一つでした。
 健康診断や病院に行った時には自分の理想体重を看護師さんや管理栄養士さんに教えてもらい覚えておきましょう。そして、理想体重より軽い方は脂身を気にせずに肉や魚(蛋白質)をたっぷり食べ、重い方は脂身を外して食べましょう。
 食欲は食べ物の色や匂いや味に左右されますが、食事の雰囲気によっても変わります。実り多き人生の秋、気のおける友と、食事を楽しんではいかがでしょうか。
鈴木誠二
 動物はストレスを感じると、逃げるか闘うかのどちらかの行動をとります。これは、ストレスを感じさせるものから本能的に離れようとするからだと考えられています。人間も同じです。ただ違うのは、複雑な思考をする人間は、心の世界を持っていることです。それ故に、最愛の人を失った悲しみ、嫌いな人から離れられない苦しみ、消えない不安、死や病気に対する恐怖など、心の世界で自らがつくるストレスに、長く悩まされるのです。
ストレスを感じやすい人には、共通した特徴があります。
①生真面目②楽観的に考えられない③冷静な判断が苦手④他人の目を気にする⑤あまり笑わない⑥事実の確認をしないなどです。
極端な人では、自分ではどうすることもできない、そして、まだ起こってもいない天災や事故や死を心配して悩み続けます。
  一方、ストレスに強い人がいます。物事の道理を知り、事実を冷静に認め、楽観的に生きている人です。ストレス学の始祖であるハンス・セリエ博士は「ストレスは人生のスパイスである」という言葉を残しています。ストレスというとマイナスにとらえがちですが、そうではありません。「わくわく」「ドキドキ」といった好奇心を刺激して、生命力を強くすることが知られています。
  長距離輸送に弱いイワシはそれだけを運ぼうとすると殆ど死んでしまいますが、その中にイワシの天敵であるカマスを一匹入れておくと殆ど生きたまま運べるそうです。サーファーが大波を楽しんでしまうように、私たちも刺激的なストレスを大いに楽しみましょう。
 そういえば、私の初恋も「ワクワクのドキドキ」でした。
鈴木誠二
 いま脳や心の研究が盛んです。昔から「病は気から」といわれますが、考え方や気の持ち方が健康・病気の状態に影響を与えることがわかってきたからです。 その一つがガン細胞などを殺してくれるナチュラルキラー細胞(NK細胞)と自律神経との関係です。自律神経は「不安」や「安心」といった心の状態によって血管を狭めたり広げたりすることが古くからわかっていました。特に胃腸は自律神経の影響を受けるので、西洋には「胃腸は感情の共鳴板」という諺があるほどです。この自律神経、ホルモンの分泌にも影響を与え、NK細胞をはじめとする免疫細胞を元気にしたり弱らせたりすることが明らかになってきました。
  ピッツバーグ大学ガン研究所のサンドラ・レビ博士は「治る希望をもったガン患者の体内ではNK細胞が増大して治癒を促進し、逆に治らないと悲観した患者のNK細胞は減少して、治癒力がますます減退した」と発表して話題になりました。
 元米国心理学会会長で実験心理学者のセリグマン博士は、著書「オプティミスト楽観主義者はなぜ成功するか」(講談社文庫)の中で面白い実験を紹介しています。脇腹に2~3個のガン細胞を植え付けたネズミを3つのグループに分けます。1番目は軽い電気ショック(ストレス)を与えるが逃れる方法を学習して知っているネズミ。2番目はその方法を知らないネズミに1番と同じ量のストレスを与えます(このネズミは混乱し、その後、無気力になることが証明されています)。3番目はストレスを与えないネズミです。1ヵ月後、大きな腫瘍が3番目のネズミの50%に、2番目のネズミでは73%に見つかりました。しかし、1番目のネズミには30%しか見つからなかったのです。
 もうお分かりでしょう。われわれがどのような生活をすればよいのか。
 大切なのは「こころにストレスを与えないこと」。そのためのヒントを次回にご紹介します。
鈴木誠二
 「心は遺伝子を動かす」と言われたら、みなさんはどう思いますか?
 私たちの体は約60兆個の細胞で出来ていて、その一つひとつに生命活動の情報源である遺伝子が入っています。遺伝子は約30億個の情報を記録していますが、それら全てが使われているわけではありません。
必要なときに必要な部分が使われ、それ以外は使われないようになっているのです。
だからこそ、私達の指を創る遺伝子は指を5本創ったところで活動を停止するのです。
この、遺伝子の開始(オン)と停止(オフ)のタイミングが狂うと、4本や6本指の手ができることになります。
 癌は分裂して増える細胞の遺伝子がオフにならない病気です。
分裂しない脳細胞と心筋細胞にはこのようなことが起こらないので、脳癌(脳腫瘍は脳の間質細胞のオフスイッチが壊れたものや心臓癌はないのです。
遺伝子のオン/オフは細胞分裂でのみ見られる現象ではありません。
排卵や授乳、性的興奮を調節するホルモンの分泌なども遺伝子のオン/オフでコントロールされていることがわかってきました。
その後も遺伝子の研究は急速に進み、遺伝子のオン/オフは物理的・化学的刺激だけでなく、精神状態の変化によっても起こることが明らかになってきました。
 「希望と不安」「よく笑うとよく怒る」はその代表格です。人は笑ったり、希望が持てるようになると緊張がほぐれ、交感神経の細胞のスイッチはオフとなり、副交感神経の細胞のスイッチがオンになります。その結果、副交感神経の細胞からホルモンが分泌され、それによって癌細胞を壊してくれるNK(ナチュラル・キラー)細胞が活発になることがわかってきたのです。
さて、あなたは今日、何回笑って、何回ため息をつきましたか?
鈴木誠二
  元安倍首相の諮問機関「教育再生会議」(野依良治座長)が注目されています。「学校再生」と「家族・地域教育再生」がテーマです。
  困難に耐え切れず、すぐにキレる・引きこもる・殺傷する・自殺するといった若者の増加が背景にあるようです。
  子どもたちに生きる力がなくなっているようで、私は心配です。
  逆境に負けずに生きてきた人の自叙伝を読むと、不思議と勇気や希望や元気が涌いてきて、「自分も頑張ろう!」と感じます。なぜだろうかと考えてみると、登場する方々に生きる力を感じると共に、その生き方に共感するからだと気づきました。
  二重三重の困難に耐え、そして報われる。そんなくり返しをする中で、登場する方々は「冬は必ず春となる」「捨てる神あれば拾う神あり」「禍福はあざなえる縄の如し」ということを学び取られたのでしょう。
  taisou.jpg椅子に座ったまま、体一つで行う「アイソメトリックス」という運動法があります。これは、図のように
ひざを上げようとすると同時に両手でそのひざを押し下げようとする運動です。それぞれの力が相殺されるので、まったく動きがありません。周りから見ると何もしていないように見えますが、7秒間この姿勢に耐えるだけで、十分な運動効果が得られます。
  「耐える」だけでつくのは筋力だけではありません。精神力や包容力、そして生きる力も同じです。
  昔から「若い時の苦労は買ってでもせよ」「獅子はわが子を千尋の谷に突き落とす」といわれるのは、この耐える機会を与えんが為のようです。
  幾多の困難をものり越え、生きる力と智慧を身に付けておられる読者の方々の素晴らしさの一つは、このあたりにもあるように思います。この力を、もっと社会に活かしてみてはどうでしょうか。
  やる前から「ムリ!」と言う若者を前に、「地域教育再生」のお役に立つならと、私もNPOを立ち上げ、学校で「ちょいワルおやじ」をやっています。
鈴木誠二



 人は病気をして、健康の大切さや自分の生き方に気づくようです。そう考えると、痛みや病気は、私たちの行き方に軌道修正を加えてくれる重要なメッセージなにかもしれません。 先日、頭痛が続いたので、脳神経外科を受診しました。脳動脈瘤や脳腫瘍でなければ、頭痛とも気長に付き合っていけると考えたからです。
  最近の画像診断技術の進歩はめざましく、脳の微小血管を詳細に見ることができます。検査の結果、「7ミリの変形した未破裂脳動脈瘤」が発見されました。放置するとクモ膜下出血を起こす確立が毎年1%ずつ上がっていくそうです。そして、検査や治療によっても、合併症を起こしたり死亡するリスクが、わずかながらあることも告げられました。
  突然の「自分の死」との対面です。私は最悪のシナリオも考えに入れ、自分の人生、家族との生活、会社の将来を考えました。自分に関わる人や組織を「本当にこれで良いのか?」との問いから見直すことができました。不思議と死に対する不安はなく、今死んでも満足な自分がいることを発見したのは大きな収穫でした。 翌朝、私は全社員に私の病名を告げ、私がいなくとも会社を経営していける一人ひとりであってほしいと伝えました。家では、あまり話をしない長男が「なぜ、すぐに手術をしないのか?」と心配し、妻はメールで「再精密検査の日には一緒に病院に行きたい」と、私を気遣ってくれました。家族の温かさを感じた瞬間でした。
 三次元CTという最新鋭の画像解析を用いて得られた結果は、血管の変形した瘤(コブ)は、丸まった血管の奇形で、破裂する危険性はほとんどないというものでした。
 私は、もう一度命をいただいたと感じました。今、いつもと同じ景色を、今までとまったく違った思いで見ています。
鈴木誠二
 今、中高年の間で「エンディングノート」や「終未医療の希望」など、死に際してのメッセージを並術している人が期えています。エンディングノートは遺一口と異なり、自分の人生を最後まで自分の思うように生きるという、自分の人生と積極的に関わる人に人気です。
  考えてみれば生まれてから死ぬまでが私達の人生です。それまでどれほど華々しい活躍をしても、どんなに幸せであっても、最後に自分の望まないことが続くようであれば、人はそれを「満足な人生」とは呼ばないでしょう。
  人は生まれることを選ぶことはできませんが、自分らしい終わり方を選ぶことはできます。もう一度行ってみたいところ、どうしても会っておきたい人、近しい方々に伝えておきたいこと、財産の使い方、どこでどのように逝きたいか、葬儀やお墓はどのようにしてほしいか、そんな自分の終わり方に関する希望を整理するのが「エンディングノート」です。「自分らしく人生を終わる」ことは「自分らしく人生を生きる」ことにほかなりません。そしてこのような生き方・考え方は高齢期における不安を解消し、最後まで自分の人生を積極的に生きることにつながります。不安なく楽しく生きることは、その人の免疫力を低下させない最高の健康法でもあります。 ただ一度の人生を悔いなく、最後まで楽しんでいこうではありませんか。
鈴木誠二
 「一年の計は元旦にあり」といいます。あなたは今年の目標を決めていますか?
 昔はお正月になると、家庭や学校で「書初め」をする習慣がありました。子どもの頃は、学校で今年の目標を立てて、それを書いたという経験のある方もいるのではないでしょうか。それぞれの目標を書いた書初めが、教室に張り出されたものです。 このように、目標を文字に書いて掲げるということには、実に思わぬ効果があります。
 私たち人間は、いろいろな知識や考えを持って生活していますが、日常生活では、意識の一番上の、表層にある考え方によって、行動を決定しています。 たとえば、「空気は大切なものだ」ということは、誰でも知っていますが、普段から空気を意識して暮らしている人はいないでしょう。空気はいつでもここにあるからです。
 日頃生活をしているときは、やれ家族が病気になった、家計が心配だ、近所とのつきあいがあるなど、目の前の問題を処理することに追われて、そうした大事だけれども当たり前のことは、意識の下の、深い部分に隠れてしまうのです。
 健康も同じです。健康が大切だということは、誰でも知っていますが、普段は健康のことなど考えず、自分や家族が病気になったときに、初めて健康の大切さに気がつくということが多いのではないでしょうか。大事なことは、普段は眼に見えないのです。考えを文字に書くということは、それを、眼に見えるものに変えることです。今年、あなたが「こうなりたい」と思うことを、書き言葉に表し、いつでも眼に見える所に張り出してみてはいかがでしょうか。いつも見ているノートに書いてもかまいません。それをいつも眼に見ていることで、一年の暮らし方が違ったものになるはずです。
鈴木誠二